2020年12月21日月曜日

【アニサキス症 体験記】 20’12/19

「アニサキス症」
聞いた事がある人、多いと思います。

厚労省HPより
アニサキスは寄生虫(線虫)の一種です。
その幼虫(アニサキス幼虫)は、長さ2~3cm、幅は0.5~1mmくらいで、白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫は、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。
アニサキス幼虫は、寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。


ざっとこんな子。
生の青魚の刺身には気をつけろとはよく言われており自分も注意していますがサンマの刺身とかは鮮度の関係であまり食べる機会がなくあれば注文していたものです。
でもアジの刺身は一般的だけどアニサキスになるという話は聞いた事がありません。どういう差があるのでしょうか。

少し前置きが長くなりました。

木曜日
何処からいただいた鯖寿司が夕食。父母と3人で食します。
新鮮なサバを〆たばかりでほとんど生鯖寿司。2日目には酢で〆られてほんのり白くなり味が深まるとの事。
新鮮なサバでとっても美味。パクパク食べて御馳走様。解散して帰宅します。


金曜日
早朝に父から母が夜中に激しい腹痛と嘔吐しているとのLINEが。
お、アニサキスか?と思いましたが出勤前に訪ねたら腹痛から回復している母がいます。
真のアニサキスなら胃カメラで線虫を除去しないと痛みは続いてそうだし単なる食あたりかとも思いましたが食あたりなら一家全員症状が出ているはず。
うーん。寒くなったし胃腸風邪かねーなんて話をしてまずは一安心。

この日の昼食は木曜夜に引き続いての鯖寿司。
母の話を聞いてアニサキスが頭に過ります。が、まあ木曜夜に食しても自分はどうもなかったから大丈夫だろうという変な自信を持っています。
2日目の鯖寿司は酢が効いてきてほんのり白みがかっています。うん、とっても美味し。
食している部分はちょうど腹身の部分。内臓と近い部位でありもしかしてという警戒心も出てシャリと分離して腹身を観察。
異常なしを確認して再びシャリに乗っけていただきます。
寿司でネタとシャリを別々に食べる人が居ますが寿司の意味がないやんと思ってしまう。だからシャリにネタを戻してがぶり。
身の中に奴が潜んでいるかもしれません。よく噛んで噛み殺そう。

と、思っていてもついつい美味しくて次々頬張ってしまいよく噛まずに早食い状態。

そして無事に金曜日の業務を終了。
夕食を摂りますが少し腹部に違和感を覚えます。
まあ腹痛じゃないからアニサキスではないと思いながら万が一に備えて素人考えでお酒も飲んでアルコールで死滅を試みます。(勿論、死滅する訳ありませんが)

うーん。なんか違和感が続く・・・。腹痛ではないけどなんかむかむか。
寒さで胃腸が弱っているのかもしれんと言い聞かせて風呂で温まれば回復するかもと言い聞かせて温まると少しマシになったような。おやすみなさい。


土曜日
6時に腹部の違和感で目覚めます。これはおかしい。
でも、腹痛ではなくてむかつきだから違うはず。そう言い聞かせて2度寝を試みますが寝付けず。
徐々に痛みも出現してきた。間欠的で少し良くなったかなと思ったらまた痛みの波。
心臓の方にも放散する痛みで胸痛もあると訴えたくなる痛みです。こりゃアニサキスっぽいと諦めの心境となります。
この日は午前は実家で働いて午後から職場のお当番。午後の当番を絶対に休む訳にはいかないので午前に胃カメラをしてもらって乗り切れたら。
胃カメラをしてもらえるなら朝食は抜いておかねばならず午前の当番の先生に誰か胃カメラpleaseとお願いの電話をしておきます。
いよいよ痛みが強くなってきて実家の勤務どころではなく午後の当番の為にも午前中に胃カメラでアニサキスを取り除く事に専念したい。

9時前に職場に着いたら午後当番の交代の手配やら胃カメラの手配やらをしてくださっている。迷惑かけてごめんなさいという気持ちがいっぱいでしたが本当に心温かい人達でした。
土曜日で人が少なくカメラが出来る先生が外来だからカメラは12時過ぎと言われて正直マジであと3時間以上これが続くのか?!
と絶望的な気持ちになりましたがHマン先生が走って戻ってきて外来前に胃カメラをしてくださりました。

咽頭と鼻腔の麻酔もほどほどにサクサク挿入。右鼻腔が入りにくいとサクッと左に切り替えてカメラが食道⇒胃と進んでいきます。
これでアニサキスがおらんかったら一体この騒ぎはなんやねんというオチになってしまいどうしようと思いましたが「いますわ」とHマン先生が。

ずっと涙を流しながらオエオエ悶えていましたが目を開けてみたら確かにアニーちゃんがいます。研修医くんに鉗子を操作してもらい無事に除去してもらいました。
1匹だけとは限らないので残りがおらんか満遍なく観察してもらいましたがこの1匹だけだったようです。10分そこらで処置を終了してHマン先生は走って再び外来へ向かわれました。
本当に感謝・・・。

こんな小さな線虫にやられるとは恐ろしや。


改めてこの苦しさは経験した人にしかわからないものだと痛感。
人間、痛い経験をしないと改心しないのはなんででしょうね。痛い経験をしても改心せずに同じ過ちを繰り返す人もおりますが。
出来るなら経験したくないけど経験したおかげで少し成長したはず。そして改めて色々な人に助けられている事も再認識。

結論として母は嘔吐しまくったのでその時にアニーちゃんも一緒に排出されたので症状が治まったのだろうと推測。
鮮度の良いサバでも家庭で鯖寿司にするのは危険でやはり-20℃以下で24時間冷凍させたものを使うべきなのでしょう。

カメラ後も痛み止めの点滴と補液をしてもらい午前をぐったり休ませてもらったおかげで13時からの当番も無事に完遂。
今回は特に目新しい情報もなく一個人の体験記でしたがお付き合いくださりありがとうございました。

大晦日の当直もこの気持ちを忘れずに務めましょう。痛みがあれば辛い。
どうぞおいでなすって。



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