2024年8月15日木曜日

【黒部五郎・鷲羽・水晶岳登頂備忘録 その1】 24’8/10-13

随分前から夏休みの日を合わせて北アルプスを縦走しようというプランが発動されていたみたい。いつもの如く大将とひでさんが燃えさかって色々プランを立案、合議で盛り上がっているけど自分はとりあえずなんでもOK、お任せします的ポジション。

折立や高瀬ダムからの登頂がメジャーなようですが水晶小屋の予約が満室で無理だったりとかとかで最終案は
初日が飛越新道から黒部五郎岳→黒部五郎小舎泊、
2日目が三俣蓮華岳→鷲羽岳→雲ノ平経由→高天原山荘泊、
3日目が温泉沢ノ頭→水晶岳→竹村新道→晴嵐荘伯→
4日目が高瀬ダム→タクシーとバスでJR大糸線信濃大町駅→松本駅→松本駅からレンタカーで飛越新道まで戻って車を回収というプランらしい。



今回の行程での律速段階はとにかく山小屋をとれるか否か。水晶小屋を取れなかった反省点を活かし予約開始日、かつ予約開始時間に予約を試みます。晴嵐荘は大将が既に予約を済ませていてくれていたので初日、2日目の黒部五郎小舎と高天原山荘を何が何でも取らないと全ての行程が崩れ去ってしまいます。

高天原山荘は5月7日の9時から予約開始であり9時打ちを試みるも全く繋がらず。他のおふた方も試みるも繋がらず。翌8日も3人共繋がらず。3人でトータル1000回以上かけているけど繋がらないってどういうこっちゃ。でも、17時を過ぎたらしっかりと営業終了の音声アナウンスが流れてきます。山の日の3連休初日であり全国から北アルプスの奥地を目指して電話が殺到しているのでしょうか。が、内心予約取れなかったら行程そのものがぱあになりしんどい縦走旅行がなくなってくれるかもと淡い期待を抱いていたのも事実・・・。

どうせ予約で満杯だろうと思いながら5月9日も朝から電話を試み続けたら昼前に繋がったではありませんか。そして残念な事に?8月10日3名1泊の予約が取れてしまった。
まず第一関門を突破してしまったので第二関門の黒部五郎小舎予約は6月12日10時から。双六小屋グループはweb予約可能であり予約当日10時に個室予約を試みるもアクセスした時点で満室。大部屋に切り替えて予約を試みますが画面がフリーズして進まない。ブラウザを再起動したら予約がなくなっているかもしれない恐怖を抱きながら再起動したら予約を進める事が出来ました。こちらも大部屋でしたが8月11日3名1泊の予約を取ってしまったけどひでさんがアクセス出来た時には全て満室になっていたみたい。一番行きたくないと思っていた自分で小屋泊を取ってしまいなんとも言えない心境になりましたが決まった以上は腹をくくるしかありません。大将には思考回路を読まれまくっていて「宿取れてしまって逆に悲しんでいませんか」とバレていた。そして「小屋が取れなかったらテント泊でもっと大変な事になってましたよ」と言われたけど恐ろしいくらいに燃えさかり続けています。


day0 金曜日
20時過ぎに仕事を終えて急ぎ帰宅し旅の準備と夕食や風呂を済ませたりしていたらあっという間にお迎えの23時になってしまった。時間が押しまくるのは容易に想像出来るので22時出発を提案も大将は仕事を終えて休憩も風呂も出来ずに行くのは危険すぎるとの意見であり23時出発となっていたけど助かった。

タイムスケジュールを全く把握していなかったけど初日は5時から入山しないと厳しいらしい。絶対時間厳守ですと申し合わせていたけど大将からLINEが・・・。「大問題が発生しました。登山用具を全て置いてある宿舎の電子ロックが電池切れで開かなくなりました。昼には開けれたのに。」と・・・。

奈良の大将とは名神高速栗東ICで0時に合流して車1台で向かう予定でしたがいきなり暗雲が立ちこめてきた。鍵の110番に依頼されておりあとは開くのを待つしかありませんが取り敢えずひでさんと自分は23時に京都を出発して栗東へと向かいます。

大将に連絡を試みるも繋がらずどうなる事かと思っていたけど23時30分過ぎに鍵の110番によって開けてもらえたので30分遅れで向かうとの一報があり一安心。
栗東IC近くのコインパで0時30分過ぎに無事合流となりましたが大将は結局休憩も出来ず風呂にも入れずとくたくたなご様子。鍵を開けてもらうのに64000円という出費も相まって心身共に出だしからやられています。

再び名神栗東ICから高速に乗り一宮JCTから東海北陸道に入り飛騨清見ICで降りて岐阜富山県境の飛越トンネルまで3人で運転を交代しながら進みます。運転の時以外は睡眠のはずでしたがついつい会話をしてしまい各人共に1時間ちょいしか仮眠をとれていない状態のまま5時に飛越トンネルにある北ノ俣岳登山道に到着。出発が30分遅れてしまいましたが夜中の交通量の少なさに救われ時間を巻き返し計画通りに登頂開始です。
day1 土曜日



日の出がだいぶ遅くなりましたが5時を回り空が白み始めています。まず寺地山というチェックポイントを目指して樹林帯を進みますが所々に巨大なウンチが落ちています。地元の登山者らしいおっさん曰く最近の熊は人を以前ほど避けなくなり今までしなかった登山道でも糞をするようになっていると。フレッシュウンチもありおっさんも単独行が不安になっていたようで合流して4人で登頂を続けます。




飛越新道から神岡新道に合流し寺地山1996mを越えると北ノ俣岳、赤木岳の稜線が目に飛び込んで来ます。毎度の事ですが景色の開けない樹林帯を耐えて高山帯で広がる景色を見てなんとか耐え抜く事の繰り返し。
熊が出没するのは避難小屋辺りまでらしくそこから先は池塘を抜けハイマツ帯をて10時過ぎに北ノ俣岳に到着。





何気に5時から5時間以上経過している。これ、ほんまに小屋まで夕方までに辿り着けるのかと薄々危険な匂いをようやく感じます。そうは思いながらも一区切りの地点までやって来れた事もあり笑顔で薬師岳をバックにみんなと記念撮影。黒部五郎岳は雲の中に隠れていますが遠くは明日明後日と巡る鷲羽岳、水晶岳も見えます。




黒部五郎は午後は特にガスるから午前中に登るべしという情報がありましたが到着するのは順調に行ってもここから更に3時間20分後の14時手前か。天気は望めないなとがっかりな気持ちになりますが先に進むしかありません。黒部五郎方面に進むといよいよガスが立ち込めてきて青空とさようなら。景色も見えず疲労が余計に蓄積していきますが赤来岳を越えた辺りで親鳥に連れられた計7羽のライチョウさんと出会いしばしの癒し時間。親鳥はメスらしく子供たちもよちよちと愛らしい。



他の登山者も立ち止まりしばしライチョウの撮影会となっていましたがみんな遠巻きに見守りハイマツの中へ帰っていきました。再びガスの中を黒部五郎に向けて登攀を続けますが黒部五郎は岩がゴロゴロしているから五郎らしい。ここにきて天気の悪さで気持ちが萎えていたのと徹夜に近い状態で登山を開始しての疲労も重なり浮石でバランスを崩して足ももつれて背中側に大きくバランスを崩してしまった。リュックの重みもあり背中側から転倒して逆でんぐり返しの状態で斜面を転げ落ちそうになったけど倒れこんだ状態でなんとか滑落せずに済みました。ひでさんが駆け寄って助け起こしてくれたので立ち上がれたけど斜面上で頭を下に変な姿勢で倒れこんだら正直自力では起き上がれんかった。



なんでこんな所でこけて怪我するの?って事が多いけどまさにそう。平凡なガレ道だけど疲労や集中力の欠如でこうも簡単に人はこけて怪我するもんだと。いきなり打撲で足を痛めて肩とか顔も擦りむいてショボンなテンション。トボトボと二人について行き登る事8時間30分、13時30分頃に黒部五郎の肩に到着。



ここにデポって登頂しているみたい。こんな天気の中登頂してもガスの中で何も見えないし登るのやめてはよ宿に向かおうかとも一瞬思いましたがせっかく百名山の一つまでやってきた訳ですから最後まで完遂しましょう。ガレ場や岩場が続き緊張が続きますが14時前に登頂完了。




晴れていたら眼下に黒部五郎カールが広がり三俣蓮華岳や鷲羽・水晶岳が眼前に広がっていたはずですが真っ白け。一般的に山小屋へは15時までに到着するように時間設定するのが不文律みたい。15時に設定しても16時とか17時に押してしまう事は多々ありそうであり余裕をもった時刻設定は納得です。黒部五郎山頂からは稜線ルートとカールルートがありますが稜線ルートは熟達者向けであり素人さんの我々はカールを下って小屋へと向かいます。




カールより下はガスも少なく岩稜を越え続け熊笹のエリアに入るとガスの中に黒部五郎小舎が見えてきました。
5時から登り始め11時間経過した16時頃に小屋へ無事到着です。



お酒大好きな大将は絶対に飲むだろうとは予想していたけど缶ビールじゃなくジョッキ生を注文されていた。ひでさんも缶ビールを頼んでいたけど今回の旅はなんだかしんどくて飲む気にもなれず自分は持参のお茶で到着の無事を祝して乾杯。



縦走登山は初で山小屋泊も初だったような。小屋自体は綺麗だけど正直都会っ子で水洗便所、ウォシュレットじゃないと大も出来ないような繊細な体質にこの4日間は耐えられるのか不安は大きい。部屋はライチョウで1.3.4番をあてがわれていたのでじゃんけんで場所決め。



シャワーもなく汗だくになった身体をパンツ一丁になり汗拭きシートで拭いたけどやっぱり辛すぎる。登山の辛さよりもトイレやお風呂の辛さから早くもホームシックになっている自分がおった。
18時から夕食をいただき19時過ぎには寝落ち。翌日は5時起床、6時に出発して三俣蓮華方面へ向かいますが天気はどうなっているのでしょうか。



初日の行動時間は約11時間 移動距離は約17.2kmでした。


その2へつづく



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