2023年10月21日土曜日

【惜別 根室本線探訪備忘録】 23'10/19-20

地方の赤字路線をどうするか。各地でそんな議論が続いています。
大昔から赤字という事は周知の事実でしたが今になって至る所で廃線の議論が出ているのは何故でしょうか。そんな中、幹線の根室本線が部分的に廃線となるという衝撃的なニュースがありました。
北海道はどこもかしこも真っ赤っかで本州のJR3社と同様の水準等を求めても無理に決まっています。JR四国しかり。それでも地方交通網を維持していくのが行政の使命ではないのかと一個人的には思います。勿論維持費のかからないバスに切り替えて維持したら良いではないかと言えば良いかもしれませんが石勝線が自然災害で不通になった時の代替貨物輸送を維持する為に幹線である根室本線は黒か赤かではなく大局的な意味で維持しておくべきだと思います。壊すのは簡単でもまた構築するというのは大変でもあります。
意味不明な補助金バラマキや仕入れ値の不明なワクチン大量購入→大量廃棄とかしているくらいなら使うべき所に予算を回せと思う。が、無駄を生じさせて世の中は回っているのが現実であり自分もその流れに任せて仕事し生きている。
狭い日本とは言え旅をする度にこんな所にも人がよく住んでいるなと思う事は多々あるかと思います。今後更に少子高齢化が進む日本がどう現状のインフラを含めて維持していくのか喫緊の課題。そんなもやもやとした思いを胸に秘めながら紅葉と絡めて見るべく廃線となる富良野-新得間を訪ねてみます。



day1
新千歳以外は伊丹からの直行便がなく北海道は遠い存在。めんどくさいけど羽田トランスであり伊丹10時00分発のNH20便に乗るべく京都を発ちますが今回も負け戦でしょう。釧路や帯広は憎たらしいくらい直前まで晴で経過していたのに木曜以降は曇りと雨マークが並んでいる。そして出発地の京都は劇晴。出発地が晴れている時の目的地の天気はろくでもない時が大半。関西が雨で目的地が晴だったら良いのにと思いながらリムジンバスで伊丹まで向かいます。
ちょうど折り返しNH20便になるNH15便が到着したところでありグラハンを眺めますがいつみても憧れの職業。



定刻に離陸し羽田のB滑走路への着陸であり右手に千葉を見ながらの着陸でしたがネズミの王国も見えたけど中から見るのと外から見るのとでは印象が異なる。



羽田からはAIRDOとの共同運航便のNH4765便で乗り継ぎまで1時間の余裕があります。搭乗口は501で沖どめ。バス乗り場には売店と飲食スペースが豊富にあり空港価格のカツサンド760円と空港価格のおーいお茶172円を購入して時間を潰し初AIRDOに搭乗しましたが737‐700に乗る事が出来ました。東京は薄雲があるけど憎ったらしく晴。C滑走路から離陸し千葉ロッテマリンスタジアム(ZOZOマリンスタジアム)を眼下に北上していきます。



東京周辺は都会だけど千葉も沿岸部を過ぎたらあっちゅうまに田んぼだらけで都市部って限られてるなと実感しながら機外を眺めていたけどいつの間にか雲で覆われるようになり寝落ちしてしまった。とかち帯広空港には定刻よりも早く13時50分には到着したけど厚雲に覆われ今にも雨が降り出しそうな恨めしい天気に早々からテンションが下がります。



十勝と言えば天下の明治から十勝チーズや十勝牛乳ブランドがあり酪農の街として知らない人はいないと思いますが空港でもモーモー牛さんに出会えます。この日はニッポンレンタカーでお車をお借りしますが時刻は14時30分。西にある根室本線の撮影地まで1時間30分ですが列車は18時頃の1本だけで暗くて撮影不可。反対の東にある根室本線で一番有名な撮影地、尺別の丘までも1時間30分で16時40分頃に通過する特急おおぞら10号はなんとか撮影できそう。この日の日没は16時36分だからギリギリ撮影出来そうだけど天気が悪くもっと早くに暗くなるのは容易にわかる。おおぞら一本を撮影する為に宿と反対側の尺別の丘まで行ってそこから3時間弱かけて宿まで戻るのか。北海道はでっかいどう。宿でゴロゴロするのもアレなのでとりあえず超有名撮影地の尺別の丘を訪ねてみます。



車のナビよかGoogle navi派なので携帯用のステーを最近は旅行の時に必ず持っていくようにしています。脱Googleで自力で地図を読んで旅しましょうとひでさんと話していたけど時間も押していた事もあり最短ルートを求めていざ出発。本州と北海道とでは地図の縮尺スケールが違うと同時に車速も全然違う。制限速度+30kmが平均車速という感じで地元民は流しておられる。そんな荒々しい運転に目を見張りながらも流れに乗って1時間15分で尺別の丘に到着。



火葬場の横が駐車スペースですがこんな夕方には誰も火葬に来ていません。すぐに左右に道は分かれますが左手に進みます。



ふもと付近ははっきりと道がわかるけど途中からは目を凝らさないと鉄路がわかりませんがとりあえず上に登っていけばてっぺんには5分くらいで到着です。




北海道も熊の出没が多くこの地でも熊出没注意の看板があり気休めに熊よけの鈴を装着し谷村新司の昴を最大音量で流しながら進みましたが海鳴りでかき消されるくらいに海風が吹き付けてきます。ちょうど谷村新司さんが亡くなってロスになっていたから最近は昴とサライばかりを聞いていた。心に響くあの歌詞、旋律は令和の今風の歌謡曲とは異なる趣があり亡くなったニュースが飛び込んで来た時は本当に衝撃でした。
北海道に来たんだから松山千春の大空と大地の中でをチョイスしかけたけどやっぱり谷村新司を偲んで昴とサライ。
さて、日の入り前だけど分厚い雲に太陽は遮られてどんどん暗くなり熊が現れないかと恐ろしくなってきた。はよこいはよこいと凍えながら念じていたら16時45分に特急おおぞら10号が札幌に向けて上がっていきました。
4010D 特急おおぞら10号 根室本線 音別-厚内



こんな真っ暗な写真を撮る為にここまで来たのかと悲しくなったけど尺別の丘を訪ねる事が出来て良き経験をしました。早々に車に戻り下道で3時間弱かけてこの日の宿がある南富良野町まで釧路市から移動します。真っ暗な十勝帯広を進みますが至る所で牛舎の明かりだけが見えます。こんな広大な北の大地で酪農家の人たちが極寒の冬も世話をし続け365日搾乳をしてくれているお陰で乳製品を手にする事が出来ているんだなーと実感。



道路際から牛さんたちを眺めながらふと思う。乳製品が値上げしたと延々と報道し困る困るとインタビューに答える消費者を流しているけどそんな暇あったら他の事を報道しろと思ってしまった。アプリ課金とかゲーム課金は平気でするのに日常品の値上げでわあわあ騒ぐ人は他の削れるものを削って生産者に感謝と還元をすべきにも思える。まあ一個人の勝手な推測の勝手な極論ですが。
牛さんたちにお別れをしたらあとはまた黙々と運転し続けますが東鹿越駅は最終19時57分発の快速滝川行があるので最終列車をバルブしようと思い宿を通過して東鹿越駅を訪ねてみます。





駅舎内はイラスト等も飾られており別れへのカウントダウンが始まっているんだなと実感させられます。と、ここで運行情報を見てみたら山部-下金山間で鹿との衝突があり大幅な遅延が生じているとあり空腹も相まって最終列車のバルブは諦めて夕食を摂る事にします。この日の宿はFairfield by Marriott Hokkaido Minamifuranoですがホテル内にはレストラン等はなく宿泊に特化しているので北海道民御用達コンビニ、セイコーマートで買い込みチェックイン。





いつもはコスパを求めて安い宿を求めてしまいますがMARRIOTTの会員になった事もありたまたま南富良野にあったフェアフィールドに宿泊。おひとり様鉄道撮影旅でキングサイズのベッドは逆に空しくもなり夕食もコンビニ弁当で寂しくもなったけどセコマの豚丼と生パスタと唐揚げ美味し。発泡酒もセコマの128円でしたが一人で北海道に乾杯と言いながら完食し移動の疲れも相まって22時には消灯おやすみなさい。


day2
天気は雨とわかってはいたけどやっぱり雨の音で目覚めます。時刻は05時30分。この日はメインの根室本線の廃止区間の撮影を予定していましたが東鹿越周辺のメジャー撮影地は3か所程度。6時、7時、9時台の次は15時台であり帰りの便が15時20分発なので午前の3回のみ撮影可能。チャックアウトが11時だから雨だしいい宿で5656満喫でもいいかと一瞬思ったけど雨でも本来の目的を完遂すべしと気を取り直し6時過ぎに始発の送り込み回送を撮影すべくかなやま湖畔に行ってみます。天気が悪いのはわかっていたのでやる気半減でレンズは14-30mmと24-120mmのお手軽レンズのみ。望遠レンズが望ましいけどクロップモードで180mm換算で撮影とします。




朝靄と雨とで視界は悪く紅葉も始まっているけど色が出ん。まあ雨に濡れる景色も良いもんじゃないかと言い聞かせながら降りしきる雨の中待ちますが06時20分過ぎに送り込み回送が橋を渡ってやってきました。
回2473D 根室本線 金山-東鹿越





この日の始発便は40国鉄色。東鹿越駅06時36分発なので移動するのがめんどくなり結局また同じ場所から撮影したけどデジャブな画を撮って終わった。
2474D



この後は下金山07時40分発の2471Dを芦別岳バックに下金山カーブで撮影予定でしたが雨でお山は雲の中。それでも冬のリベンジに向けて予習がてら撮影地を訪ねてみます。



国道237号から無舗装の細い草に覆われた道をしばらく進むと綺麗に線路に向かっての鉄路がありました。晴れていたらきっと多くの葬式鉄が集っていた事でしょうが雨かつ背景も真っ白という事もあってか誰もおらずこの地でこの日の2発目を捕獲。
2471D 根室本線 山部-下金山



2471Dはタラコの40でしたがラストの3発目はこいつが2478Dとしてあがっていく所を撮影ですが一番作例として挙がってくるかなやま湖を渡る鉄橋をのぞいてみます。




メジャーどころという事もあってかど平日のこんな雨の中にも関わらず既に場所取りがされていてしかも線路際には進入禁止の柵も出来ているではありませんか。葬式鉄が多数集うようになってこのような状況になってしまったのでしょう。湖面も低くなっていて構図的にもそこまで魅力を感じなかったのでこの地はパスにしましたがとりあえず東鹿越駅で折り返し待ちの40を見るべく駅に向かいます。 





数人の鉄がおりましたが停車時間も長くゆとりもありせっかくなので記念撮影も行い後にします。ラストの3発目は何処で撮るかですが所々の橋で色付いた木々と共に撮影出来そうで何か所かを見てみますが最終的には岩根橋から撮影します。国道の歩道のない方からの撮影ですが最終的には8人くらいの撮影者が集っていた。お隣さんは東京から新幹線で北海道入りして北海道フリーパスを使ってやってきてまたこれが終わったらバスに乗って占冠まで移動するそうな。こんな雨の中スーツケースをころころさせながらよくやるなと思ったけど世の中いろんな人が頑張って?います。地元のおっちゃんは下から撮っても良いよと教えてくれたけど雨で足場も悪く時間もないという事で全員橋の上からの撮影。



雨の音と通過するトラックの音で列車がいつ来るか耳に全集中。(そういや鬼滅の刃ってまだ流行っているのか?)
そして09時28分頃にタラコが通過していったけど木々の隙間だけあって一瞬で終わった。



みんなで雨の中待ち続けたけど一瞬でしたねーと苦笑しながらお別れして今回の根室本線探訪は超不完全燃焼終了。チェックアウトの11時まで時間があったので再び宿に戻り濡れた服を乾かしてチェックアウト。空港までに帯広市内を通りますのでせっかくだから北海道ラーメンをお昼にいただきましょう。北海道ラーメンの定義ってなに?って感じだけど旭川ラーメンとか全国的に有名なはず。そしてここ帯広もラーメン屋が多数ありますが市内中心ではなく少し駅から離れたところにあった「あんじ」さんへ。ひっきりなしに地元客が訪れていましたが北海道ラーメンと言えば味噌というイメージがあるのでオーソドックスに味噌ラーメン850円也を注文。


生姜のスリおろしが乗っていて濃そうで濃くないジンジャー風味の味噌ラーメンでした。雨の中でしたがそれなりに行動はしたハズ。そう言い聞かせながらレンタカーを返却し帰りは赤組さんの15時20分発JL574便で羽田空港へ戻ります。往路は1時間のトランスタイムがありましたが復路はカツカツの25分トランス。遅延したら一発乗り継ぎ遅れになってしまうと冷や冷やしながらの搭乗となりました。



千葉市の上空ではちょうどJFEスチール東日本製鉄所の真上を通過していきましたが赤々と溶鉱炉が燃えている姿が見えます。「国家は血なり、鉄なり」と言われていた20世紀は過去のものとなりつつあるかもしれませんがやっぱり鉄は大事でしょ。
撮影しながら時計を見たら17時02分。ちょっと待て、乗り継ぎの伊丹便は17時30分発なので間に合うのか怪しい。そして着陸したけど3番スポットを使用予定だがまだ使用されており更に到着が遅れるとアナウンスされ既に17時15分を回っておりジ・エンド決定。こんな時って次の便にどうやって振り替えられるだろうかとドキドキ。降機時に伊丹乗り継ぎのお客様は地上係員までとアナウンスがあり名乗り出たけど伊丹便も遅れており急いで15分搭乗口に向かってくださいと言われた。ラッキーラッキーと思って3番から15番へと走ったけど3→4→5→・・・という並びではなく複雑怪奇な羽田空港のスポット並びでメッサ遠い。走っても走っても到着せず汗だくになり途中から歩いたけど15番搭乗口はGroup1の常連企業戦士たちはまだずらりと並んでいて機内へすら入れていない状況で急ぐ必要はまったく不要でした。走って損したと思いながらも間に合った事に安堵も最終的に45分遅れでの出発となりました。



陽は完全に落ちB滑走路から離陸し君津の火力発電所等を眺めながら一路西に向かい最後はお馴染みの大阪の夜景を眺めながら無事に帰阪となりました。大阪城は青色にライトアップされていましたが10月20日は世界骨粗鬆症デーでありそれに伴い青色だったみたい。
ちなみに10月29日も世界脳卒中デーとして青色にライトアップするらしい。



紅葉の根室本線に会いたいという思いで急遽北海道を訪ねましたが北海道はでっかいどうなので1泊2日で撮影地を巡るのには無理がありました。白銀の世界を求めてまた雪の季節にラストの富良野~東鹿越を訪ねられたらと思います。今回のレンタカー走行距離は440kmでした。



おしまい


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