2024年6月28日金曜日

【羊蹄山登頂備忘録 その1】 24'6/22-23

ひでさんは6/21から札幌での会合があるとの事で北海道に行くという話を以前にされていました。そして北海道に行くついでに22日の土曜日に羊蹄山に登るから一緒にどうですかというお誘いが。所用もあり言い訳をしたらいくらでも断れたけどいつまで元気かわからないのが人生。二つ返事でじゃあ札幌で会いましょうとお返事。

羊蹄山まではレンタで行く方が自由度も高いけど函館本線に乗ってみたいとの事であり札幌に宿泊し早朝の函館本線で倶知安まで移動。そこからタクシーで比羅夫登山口に向かい、真狩登山口へ下山してタクシーでニセコまで。ニセコで夕食をしたら終電で比羅夫まで移動して駅の宿ひらふに宿泊して日曜日は適当に過ごして帰る。
だいたいこんな感じでプランニングしてくれたので21日金曜日の勤務後に職場を飛び出し北の大地へと向かいます。



day0 金曜日
21日金曜日は2週以上遅い梅雨入り宣言当日でしたが晴れ間もありお日様のもと、JR西大路駅から阪急へと大山崎で乗り継ぎますがちょうどSDGsトレインラッピングの1300系がやってきた。型通り十三から宝塚線に乗り換え蛍池から大阪モノレールへと乗り換えますが伊丹空港周辺も晴。小者なのでいつも1時間以上前に空港に着くようにしていますが時間つぶしにANAエリアまで散歩。南北をつなぐこの静かな廊下で飛行機を見ながら時間を潰すのも楽しみの一つでもある。



斜光線を浴びて仙台からやってきたB6さんはスタアラ塗装でしたので一枚。
NH738 JA614A SDJ→ITM



往路は伊丹から札幌への直行便で19時00分発のJL2019便。定刻に離陸して京都滋賀上空を順調に北上していきますが夕日が綺麗。A席に座っていたけどB席のお姉さんも夕陽を撮らせてと言ってきはりましたが今日は一年で一番昼が長い夏至ですよと教えてくれた。
19時20分過ぎに琵琶湖上空に差し掛かり近江大橋付近が眼下に広がっています。




20時頃には富山湾上空に差し掛かりましたが日没後のトワイライトカラーに空が染まっており美しい。暗くなると眠くなるものでこの後は寝落ちしてあっという間に新千歳に到着となりました。



ひでさんは会合後に京都から北海道に戻った先輩と一杯やられていたけど自分とも乾杯する為に札幌駅で待っているとの事でありドアオープンからエアポート快速出発まで7分でしたがダッシュで新千歳空港駅まで向かいます。空港直下という便利さで余裕で間に合い快速エアポート175号でいざ札幌へ。20時52分発のに乗車し札幌には21時34分に到着。



札幌に来るのは21年5月の時以来であり3年ぶりですが今回も大した観光は出来ずに羊蹄山に登る為だけに来ておりいつかゆっくり巡りたいもの。西口改札前でお待ちのひでさんと合流して北大出身の後輩に教えてもらったすすきのの居酒屋で乾杯。「海鮮モノ」は何処の居酒屋もお値段が張りますし明日の朝も早いので程々で切り上げてお互いの宿に向けて解散。すすきのは京都とは比較にならないくらい大きくてカオスな雰囲気。定番のニッカウヰスキーの電光看板を眺め酔っ払いたちの波にもまれながら札幌駅まで徒歩で戻ります。路面電車のある都市風景は美しい。



day1 土曜日
北海道に梅雨はないけど本州の前線の影響もあり予報は残念な曇。霞んだ空に札幌駅がそびえています。この日は朝食と昼食は05時40分から営業しているという改札内のお弁当屋さん。06時50分に西口改札で集合し駅弁を買い込んで07時14分札幌駅始発の普通小樽行に乗って倶知安を目指します。




最近は駅構内もコンビニ化が進んでお弁当屋さんというのも少なくなったような気がします。いつぞや、島根に旅した時も寝台特急サンライズ出雲や特急いづもの始発駅にも関わらず出雲市駅には駅弁がなく愕然とした記憶がありますが札幌は昔ながらのお弁当屋さんが息づいていました。値段とか気にせず朝用は北海道周遊おにぎり弁当、昼用は北海道五大めし弁当を購入したけど2780円也と豪華な朝昼ご飯。でも北海道の地元企業にお金が入るなら嬉しいもの。



1本早い07時05分発の小樽行にも乗れたけど岩見沢始発で座席も埋まっており札幌始発の14分発の普通に乗り込みます。土曜の早朝でJR北海道だからガラガラかと思いきや座席は満席になり札幌都市圏の需要はそれなりにあるみたい。自分は小樽からの乗り継ぎの普電の方が乗っている時間が長いのでそちらで朝食をと思ったけどひでさんは札幌発の車内で北海道周遊おにぎり弁当をお召し上がりになられます。



ひでさんはここでパッケージングに苦言を呈されましたが皆さんはどの事に苦言を呈されたかわかりますか?
北海道と言えば雄大な自然のもとを駆け抜ける列車の雄姿も醍醐味なはずですがこちらのお弁当の背景は信号ケーブルの柱とアスファルトの道路が背景で味気ないとの事でした。うーむ、言われてみたら確かに。そんな細かな所にまで目がいく所が凄いですね。

さて、列車は順調に函館本線をかっ飛ばして小樽には08時01分に到着しましたが小樽発倶知安行は08時06分発で乗り継ぎは5分しかありません。レトロな小樽駅の観察は翌日として乗り継ぎに専念しますが「青春18きっぷ」あるあるの米原駅乗り継ぎが頭を過ります。大昔の事でしたが青春18きっぷトラベラーがJR西日本の新快速12両から米原駅でJR東海の新快速6両への乗り継ぎで椅子取りゲーム的展開みたいな。20年以上前であり両数は不確かですが一気に車両が少なくなり座席確保が大変だったという苦い思い出でしたが今回も小樽で6両から2両に車両数は1/3になってしまいます。小樽で大半の人が下車すると思ったけど案外多くの人が倶知安行に乗り継がれ満席状態。我々は急ぎ足で向かったのでボックスシートを確保出来ましたが小樽までの列車でひでさんのように食っておけば良かった。相席で肩身が狭い思いをしながら自分も朝食を開始します。しかしながらニッカウヰスキー、NHK朝ドラ「まっさん」で有名になった余市で多くの人が下車してガラガラになった車内。のんびり郊外の列車の雰囲気を満喫していたら緊急停止のアナウンスが流れ列車は然別-銀山間で急停車。



鹿と衝突したので安全確認を行うとアナウンスがありウテシが列車確認の後、轢かれた鹿さんの方へと向かいタブレットを使って現状報告をされているみたい。大自然を走る北海道ではよくある事なのか鹿を線路外にどけるセットも常備されているようで手袋をして白いロープのようなもので鹿の体の一部を括り付けのり面に移動させて除去完了。約20分くらいの遅延が生じましたがその後はかっ飛ばし倶知安には約15分遅れでの到着となりました。H-100系って45tくらいある訳でありそんな時速80kmの巨大な塊と衝突したら即死ですが幸い巻き込まれてのミンチにはなっていなくて良かった。鹿さんの御冥福を祈りながら予定より15分遅れで予約してお迎えに来ていたタクシーに乗り込み羊蹄山登山口を目指します。本当は倶知安駅も撮影したかったけど登山計画そのものがいつもの様にタイトでありチンタラしている訳にいきません。




後方羊蹄山(しりべしやま)は活火山で日本に24座あるウルトラプロミネントで蝦夷富士とも言われる美しい山。スタート地点が標高340mくらいでありそこから1500m以上登る事になり富士山が5合目から山頂を目指すのとほぼ同じ。大好きな開聞岳も薩摩富士で同様の美しい姿ですが標高は1000m以下でですから同じ●●富士でも本家富士山級にしんどそうな予感。
ひらふ登山口には10時に到着しましたが既に多くの車で溢れています。帰りは真狩登山口にタクシーを18時30分で予約しておりタイムリミットは8時間30分。タイムテーブルを計算すると登り5時間、下り4時間であり正直厳しい。タクシー会社のおじさんも間に合いますかと訝しがられていたのにも正確に時間を計算した今だから納得。
登山口から1本道をひたすら登っていきますが延々と単調な樹林帯の中を登り続けるだけ。これがボディブローのようにじわじわと効いてきます。登山ルートを見てもわかるようにひたすら直登していく状態でまぢしんどい。そして登山道も階段とかの整備が皆無でがれ場や泥道という足場も悪く余計にダメージを食らい続けます。そうは言っても登山口から5合目まで2時間20分とありましたが1時間30分で11時30分に到着し一休み。



殆ど人を見なかったけどここでは先客2組が休憩されていた。が、信じられない光景が。
なんとカップルのおっさんがチャリンコを担いで登っているではありませんか。歩く事もままならない登山道にチャリンコを持ち込む思考回路が理解出来ず思わず何処を走るのですかと聞いてしまったけど「走ろうかなと思って。走れるかどうかわかりませんけど」と答えが返ってきた。いや、歩くのも困難でチャリで駆け下りるなんて自殺行為とも思ったけど世の中チャレンジャー色々おられるものですね。てかチャリンコ一台だけど付き添いの彼女はどうするんだろうとか色々考えてしまった。彼らの運命や如何に。馬鹿と天才は紙一重ですね的な質問をひでさんにしたけどひでさんはあっさり「どう考えてもあほでしょう」と一蹴されていたけどそうかもしれん。

油を売っていたら時間がないので先へと進みますが多くの下山組とすれ違うようになってきましたが皆さん早朝から登られているみたいで。すれ違ったお姉ちゃんからは9合目まで地獄だけどその先はビクトリーロードが待っているから頑張ってと言われその言葉を信じてひいこら言いながら登り続けます。



その9合目を過ぎたら少し稜線チックな光景が広がり山頂が目の前に飛び込んで来ました。まあ実際は山頂ではなく火口の稜線の一部だったのですが。でも9合目から歩く事20分ばかしで火口の稜線に辿り着きました。奥により大きな火口が切り立っておりここは母釜もしくは子釜で巨大なのが父釜。




火口の尾根伝いに歩いて羊蹄山山頂を目指しますが右手には火口のお釜、左手には眼下に倶知安町と京極町の平野部が広がっています。
火口の周りを歩く事をお鉢巡りというみたいですね。




天気は下り坂で青空は広がっていませんが登り始める事4時間ちょうどの14時に山頂に到着。感無量だけどイマイチ山頂感の乏しい写真。



山頂付近で遅めの昼食を摂りますがお昼は「北海道五大めし」弁当。我々が購入した直後に売り切れになっていた人気のお弁当のようです。
うに、ほっき、かに、いか、ほたてが五大みたい。



下山は4時間の見込みであり14時30分に出発したら18時30分には到着します。昼食後の休憩もして14時30分に下山を開始。真狩ルートへの縦走ですが火口の尾根の岩場を登ったり降りたりと今までより悪路で時間を要します。




山頂から約40分かけて尾根を歩くと真狩ルートへの分岐に到着してここから本格的にひたすら下山していく事になります。



時刻は15時10分でありタイムリミットまで3時間20分あります。まいて行けば3時間くらいと踏んで先を急ぎます。本当に羊蹄山の登山道は整備された階段とかが全くなくて獣道のような登山道が延々と続き足場も悪く疲労感が半端ない。写真を撮る余裕もなくとにかく下って下って下り続けます。配車をお願いしていたタクシーの方からは5合目に着いたら連絡くださいとあったので16時30分過ぎに5合目から電話したけど「まだそちらですと18時30分までにはお越しになれないのでは・・・」と言われてしまったけどとりあえずまた1合目か2合目に着いたら御連絡くださいとの事であり先を急ぎます。信用されていないのでなにがなんでも間に合わせてぎゃふんと言わせたいと思いながら下山し続けましたが18時過ぎには真狩登山口には到着。




疲れ切ってタクシーが来るまでの間は座り込んでしまいましたがタクシーでニセコ駅まで移動します。なんでもタクシーの運転手さんは高校時代に親の仕事の都合でアメリカに移住したけどそのまま単身で住み続け大学もアメリカで出て6年間過ごしていたそうな。そして語学力を活かして色々な仕事をしたけど田舎でのんびり暮らしたいとなりここニセコでタクシードライバーをしているんだとか。バリバリの英語力があるけど敢えて田舎で自分のペースで生き観光客相手に活躍する。そんな生き方もありで正直羨ましく思えたのも事実。毎日京都市内の自宅と職場の往復で定年もなく限界まで働き続ける人生が見えているので余計に憧れてしまう。そんな素敵な運転手さんにニセコ駅まで送ってもらったけどひでさんがニセコ駅舎を見たいというリクエストがあったから。



駅舎はログハウス風に改築されここはスイスかと見まがうような雰囲気を醸し出していますが1日の列車は7本であり人の気配はありません。旭川と函館を結ぶ函館本線という幹線ではありますが寂しすぎる現状です。JR北海道は赤字路線を廃線にしたくてしかたないようであり根室本線も新得-富良野間が昨年廃線になったばかり。この函館本線も小樽-長万部間が北海道新幹線開業予定の2033年に廃線予定となっています。なんでもかんでも新幹線。新幹線を通したら在来線は廃止。んな事してたら余計に地域は先細り一度廃止したものを復活させるのは至難。国土強靭という意味でも鉄道網の維持は国を挙げて守るべきではないかと思うのは鉄道に対する愛着だけからではありません。そんなちょっぴり寂しい思いを抱きながらこの日の夕食を摂るべくニセコ駅近くの居酒屋に移動して19時前から登頂祝いの祝杯をあげます。ここで大将がいたら延々と乾杯をしましょうと飲み続ける羽目になっていたかもしれませんがお酒の弱いひでさんと自分でしたので心は次のステップに移動しています。ちょうどニセコ駅前に「ニセコ駅前温泉 綺羅乃湯」があり21時まで営業しています。



居酒屋を早々に切り上げ20時には入浴施設に移動して汗だくになった身体を清めて21時20分発の終電に乗り、1駅隣の比羅夫駅まで移動。



夜に浮かび上がるニセコ駅もまた味があります。終電は21時20分発で乗り遅れたら10km近く歩いて宿を目指さなければならず乗り遅れるわけにはいきません。都会のノリなら1駅くらい歩いて余裕ですが北海道は駅間が長いので乗り遅れたら命取り。ニセコ駅から数分で隣の比羅夫駅に到着。駅舎には終電を見送る宿泊客がうろついていたけど「駅の宿ひらふ」だけあって宿泊客はみな鉄らしい。



なんて通な宿をチョイスしたんだろうと感心していたけどじゃらんで適当に安い宿を探していてヒットしたからここになったらしい。ニセコ近辺はアジア人観光客が溢れていて何処の宿も外国人向けのインバウンド価格になっているみたいで。
個室二段ベッドという素敵なお部屋に案内されましたが宿の見学よりもまずは睡眠が欲しく二人とも消灯後は一瞬で寝落ち。明日日曜日は帰るだけですがどうしたものか。

その2へつづく。




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