2021年1月1日金曜日

【謹賀新年 上越カッター撮影備忘録 その2最終回】 20'12/31

その2

29日から30日にかけての失敗もあり30日夜は翌日の当直に備えておとなしくしておこう。
前日のダメージもあり30日は13時前に起床。一人暮らしをしているとこういうぐーたらな事も出来る。



おとなしく掃除洗濯と家事に勤んだらあっという間に夕食の時間。実家で夕食を摂り家族と他愛もない話。
ちょうど妹が論文を書き終えて教授からもOK出たから海外誌に投稿するんだとか。
載るかはわからんけど臨床しながら論文とか偉いね。お兄ちゃんとは正反対だねみたいな話をします。でもお兄ちゃんも精一杯生きてる事を伝えたく
兄「実は昨日群馬に行こうとしたんだ。でもそこまで寒くなさそうだったし途中で引き返しちゃったけど」と告白。が、
妹「はあ?ちょっとやめてよ」 自分以外の家族も白い目で見てくる。


家族のこの冷めた反応でカッターへの消えかけた火が復活。変な反骨心が出た。
モヤモヤした気持ちで年越しするのは良くない。新年早々2日に出撃して3日に撮影という選択枝もありますが4日からの仕事始でぐったりはしたくない。
31日は当直だけど18時からだし群馬を6時に出発したら12時間あるから雪の通行止めとかがあってもなんとか戻ってこれるはず。

はい。寝まくって寝だめは出来ているはずだから夕食後出発決定。思い立ったが吉日。
猛烈な寒波という事ですが雪雲レーダーをみてもそこまでではなさそう。31夕-元日が最も危険なはず。
帰宅して降ろした荷物を積み直し前日同様20時前にいざ群馬新潟へ2nd.attack開始。
再びODOメーターをリセットし19時45分に京都を発ちます。



市内もかなり雪が降っており天王町のENEOSに着いた時点で着雪中。
京都でこんな状況なら群馬新潟は大丈夫かと一抹の不安も感じてしまう。



やはり前日とは違う雰囲気。道路交通情報でも雪の影響を伝えるニュースが流れている。
こういう時だからこそ太平洋側で行くべきでしたが新名神 甲賀土山付近で6kmの渋滞情報。
この時間で5km以上の渋滞は辛いと目先の事を考えてしまい草津JCTを直進して名神→中央道という山道コースをチョイスしてしまいました。
滋賀県内に入ると案の定八日市IC付近から吹雪となっており除雪作業車が出動中で50kmののろのろ運転が続きます。まだ1時間も走っていませんが湖東三山PAでトイレ休憩。
京都市内の時よりも着雪が増している。



ちょうど自分が出た所が作業車の直後。
路面凍結防止剤を噴射しながら時速50kmくらいで進んでおられる。
車間が近くなると飛び散った防止剤が車体底にカンカンあたる音。金属腐蝕とかで車体には優しくないと聞きますのであまりいい気持ちはしません。
撒きたてほやほやの濃密な凍結防止剤を浴びたくないので車間をかなり取りますが関ケ原ICまで散布作業は続きました。
途中のSAやPA横を通過する時に短気な車がSA、PA内をショートカットして作業車を抜かしていましたが節操のない運転やなーと思う。

大雪の状況は滋賀県内だけで関ケ原を抜けたら雪は皆無。
遅れを取り戻すべく順調に進み名神小牧JCT→中央道へ入りますがこちらも雪は皆無。
ノンストップでひたすらかっ飛ばして長野県 岡谷ICには0時前に着いてしまった。0時を過ぎたら深夜割引になり30分時間を潰したら2000円浮くのででかい。
30分休んでも水上駅到着予定時刻は3時だからここは0時まで待つと決めます。

Twitterで上越カッターの情報は出ていないかと見てみたら上越線運休のリンクが貼られとる。ん?運休?!



岡谷まで来てから運休に気付くなんてあほすぎる。
衝撃過ぎてしばらく放心状態。この日当直のひでさんは起きていると思い思わずヘルプラインを送ったら岡谷の温泉情報を送り返してくれた。朝風呂6時から。
朝風呂まで6時間も待つくらいなら京都に帰りますわ(苦笑)

少しずつ冷静になりますがよく見たら長岡~水上までが運休であり水上~高崎の群馬県内は運休ではない。
北線のカッターはないとしても南線のカッターは無きにしも非ず。
ここまで来た以上は南線にかけるしかありません。とりあえず水上まで行ってみよう。

0時を過ぎたので高速をでますが岡谷ICから中部横断自動車道までは下道。
国道142号なるものを進みますが少し山に入ると雪道で吹雪もありかなり運転に疲れます。
が、山を下ると雪はなくなり中部横断自動車道もチェーン規制にはなっていますが雪は皆無でそのまま佐久小諸JCT→上信越道へ。

チェーン規制のしかれている道路では毎回目視で作業員の方が確認されていますがほとんど通行量のない中部横断自動車道でもIC前に一人立ち続けてタイヤ確認をされておりました。
寒い中ずっと夜通しお疲れ様です。雪国ってほんとに大変なんだと少しずつ実感。

湖東三山PAでのおしっこ休憩以降はかっ飛ばし続けていつの間にか上信越道。
上信越道には「峠の釜めし」で有名な横川SAがあり、ガソリン給油も兼ねて立ち寄ります。

時刻は1時30分ですが人っ気がない。
駅弁として随一の人気があったような気がしますが最後に食べたのは20年以上前かもしれません。昼食として買いたかったけど販売は朝の8時からでした残念。
荻野屋の前には駅弁らしくキハのカットボディも置かれていますがここでも鬼滅の刃コラボ。「無限列車」に絡めてなんでもコラボになってきとる。




人っ気のない真夜中ですがSAであり眠らず営業中。
が、店員さんも人間であり夜は眠たいもの。土産物屋さんではおじちゃんがレジ前に突っ伏していたしガソリン入れに給油所に入ったけど誰も出てこん。
扉をガラリと開けても気付かずに座ったまま爆睡中。ここはセルフですかと思わず聞いたら起床されましたがなんだか申し訳ない。
24時間稼働させる事って本当に大変だと思います。寒い中ありがとうございますと思いながらガソリン給油ですがハイオク157円/Lって高いなと毒づく自分もおりました。

ガソリンを再び満タンこにして横川SAを出発。ここまできたらあと一息です。
藤岡JCTから関越道に入り県庁所在地の前橋も通過していきますが雪は皆無。ほんとに寒波は来てるのかという思いにもなります。
が、赤城山という群馬では?有名な山の付近から一気に雪国。前橋ICまで片側3車線の関東圏の都市高速という感じですがその先は2車線ですが雰囲気的にも一気に先細って雪国高速へ豹変。
ドラレコのキャプチャは水上から湯沢に移動する時のものですがほんとこんな感じでずっと吹雪いていました。



こりゃこんな状態で南線も走るのかと思いましたが雪国ってこんなの日常茶飯事なのでしょう。
高速も都会だったらとっくに通行止めですが普通に車は走っているしトラックにはあおられて抜かされた。
そんなかんなで県庁所在地から少し上がればそこは雪国であり水上ICを降りて水上駅に向かいますが南線のラッセルには早ダイヤと遅ダイヤがある模様。

途中の諏訪峡で流している作例があったので駅に向かう前に立ち寄ってみます。猛吹雪の状態で正直運転が怖くなってきた。
こんな状態で一人ぼっちは正直心細い。そう思いながらICからすぐの諏訪峡に到着。
すると・・・。おー心の友よ!と思わず叫びたくなってしまいました。



時刻は午前2時50分。こんな時間から三脚をセットして吹雪の中格闘しているおっちゃん発見です。
人が来ているという事は南線ラッセルはあるかもと期待し「今日、ありますか」とお聞きしたら「来てみないとわかんない」と。
確信があって吹雪の中待っている訳ではありませんでしたがなんだか心強い。橋の奥の食堂付近の駐車場に停めに行くと既に何台か車があり走る予感が高まります。

若者の集団に挨拶して聞いてみると今日は早ダイヤで来ますよと。
因みに早ダイヤだと水上駅が開く前に出発してしまうので撮りたい構図での写真は不可とわかり少し消沈してしまいますが走っているだけまし。

4時くらいには諏訪峡を通過して水上駅を4時半くらいに出発するらしい。取り敢えず諏訪峡流しにチャレンジして水上駅撮りというプランでいきましょう。
諏訪峡のあと、復路狙いで移動する人もいるみたいですが真っ暗であり往路で一枚流したら駅撮りです。

諏訪峡付近では橋の上から流す人ともう少し上牧駅寄りの線路際から接近戦をする人に分かれています。吹雪の中移動するのが面倒でしたので橋の上から流します。
吹雪の中待っていたおっちゃんは5回目の撮影らしい。北線はスパークするのをよく作例で見ますが南線のスパーク写真は少ない。
おっちゃんもまだ一度も撮影した事がないから今回もスパークだけの為に来たと。奥のカーブから現れるところから撮り続けてスパークの瞬間を撮りたいと言われていました。



橋の上からだとこんな感じで奥のカーブ付近に車の灯りが見え、あの辺りが接近戦の撮影地との事。
信号が開いて雪面が緑に照らされました。そろそろ来るなと車で待機していた若者たちもスタンバイを開始。彼らは真上から縦でながすようです。



そして4時5分過ぎに白帯をまとった茶釜のEF64-1052号機がやってきました。
奥のカーブに灯りが見えたらあっという間に通過。ハイビームで撮影は難渋。吹雪でAFが迷ったらおしまいなので置きピン流し撮り。
ピンは甘いわ流しも止められてないわとツッコミどころ満載ですが記念撮影としましょう。
と強がってもここまで来る時間と費用と体力を考えたらこれだけの為に・・・と少し自問自答してしまいます。

単9721レ EF64-1052号機 上越線 上牧-水上







雪山が似合う男、64を強調する意味でも望遠レンズで顔を切り取らないと迫力が伝わりませんね。広角レンズで逃げてしまいました。
動画にも除雪車のうなり声が入っていますがこんな真っ暗な時間から各所で除雪作業が黙々と行われておりますます雪国の大変さを実感して1発目を終了。

次は駅での停車と出発シーンを撮影しに急ぎ車に乗り込み水上駅まで移動。
同様の行動の人が多いようで接近戦組の車も加わり駅前は深夜にも関わらず鉄の車で溢れています。みんな元気過ぎ。




停の時間は短くてあんまり撮れないよとも言われましたが十分余裕がありました。
停車のシーンは人が多くてかなり後ろから撮影したので構図的にいまいちですがもっと駅に寄って撮れば良いです。
今度来る時は200-500mmのレンズでもっと駅側の地点から撮影しましょう。



4時半過ぎに再び高崎に向けて出発。
単9722レ



うーん。やっぱりこれだけの為に片道7時間以上かけて来たのはちょっと(苦笑)
普通に8865レとかでEF-64単機を関西で撮影する事も出来ますし。上越カッターと言いながら結局スパークシーンは皆無でした。
上越カッターならぬ上越ラッセル状態で今回の撮影記は終了です。
せっかく水上までこの子と来たわけですから水上駅前で記念撮影をして去ります。



時刻はまだ4時40分。このまま京都に帰って早く休むべきですが運休の北線もカッターだけは動いているかもしれないと推測し水上ICから関越道、関越トンネルを通り新潟県入りを試みます。




結果としては惨敗。列車どうこうという問題ではなく撮影地まで辿り着けず。
新潟入りすると雪の勢いはさらに増して除雪作業が繰り広げられています。ちょうど除雪車の先を進めば撮影地のはずなのですがこのまま進んだら戻れる自信がなく撤収。

Googleナビで曲がれと言われても除雪されていないとどこからが道かもわからず危険。画面キャプチャだと伝わりませんがホワイトアウト状態でもあり寒波の影響が出始めたのでしょうか。

とにかく雪に慣れていな京都市民が単身で行くのは非常識であり湯沢ICから京都東ICまで復路につきます。
寒波の影響が強まってそうであり復路は温暖な太平洋寄りのルート。
関越道→圏央道→東名→新東名・・・・と進みます。あんなに吹雪いていたのに赤城山を越えて前橋付近を走行していると見事な快晴と日の出を拝む事が出来ました。
今日は12月31日で今年もこれで終わりかと思うと感慨深い。感慨深いけど18時から当直が待っているのであんまり感慨深く浸っている場合でもない。



線路際で出会った鉄ちゃんが「撮影に片道500kmくらいなら苦じゃなくなってきた」と言っていたのを思い出します。
今回の遠征は往路はほとんど眠らず。復路も厚木付近で限界となり20分睡眠休憩をとりましたがそれ以外は寝ずに往復完了。京都には13時30分に帰宅したので当直の18時までは余裕。

まだまだ若いんじゃないのかと一瞬思いましたが帰宅してお風呂をしてから1時間だけ寝ようと布団に入ると一瞬で落ちていた。やっぱりそれなりの疲労があるのでしょう。

本当は今回の備忘録を年末の御挨拶にして良いお年をと言うつもりが間に合わず年始の御挨拶となってしまいました。
31日の当直も無事に終え元日に家でのんびりと備忘録を記せるのはある意味平穏で幸せな事ですね。

最近はおっさんのつまらん独り言的な記事が増えていますが本年度もどうぞ宜しくお願い致します。お年玉として今回の備忘録を差し上げます(笑)

今回の走行距離は1183kmでした。




追記
何人かの先人たちに教えを請いましたが上越カッターは不定期であるものの年末年始の貨物が走っていない期間は原則として霜取りとして走ると教えていただきました。
だから1/4までは連日走行するみたい。この記事を読んで「上越カッター」に興味を持たれた方は是非1/2-3とチャンスがあるので行ってみては・・・。

今回の単機の機関車を撮る為に移動にかかった費用は
ガソリン:12270円(最後は満タンにしていないのでほんとは15000円以上)
高速代:20110円

冷静に振り返ると恐ろしや。








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