2025年8月14日木曜日

【立山縦走備忘録】 25’8/9-11

山の日の3連休を利用して立山と劔へ。

今回はMr.谷川岳も参加で計4名。Mr.が西宮から京都でひでさんを拾って先発。金曜の夜診後の小生と大将が滋賀で合流して次発組という分乗での合流です。

行程は9日の金曜夜に京都を出発、いつもの栗東IC近くのコインパで大将と午前1時半に集合して長野県扇沢(おぎざわ)駅に10日の土曜日午前6時にひでさんたちと現地集合という算段です。

本来なら富山県側の立山から室堂へのアクセスを予定するも予約開始日の10時打ちをしても一瞬で予約が埋まって切符を取れず泣く泣く長野県側からのアクセスとなったのでした。ハイシーズンの夏山人気、恐るべし。

予定通り1時半に合流して名神から中央道、長野道へと進みますがやはり仕事後に1時間強の仮眠での強行軍は毎度の事ながら辛い。真夜中で道も空いておりほぼほぼノンストップで進んだのもあり扇沢へは5時半には着けそう。06時30分の始発便に乗る予定でしたので1時間近く仮眠出来るかも。



京都でなんやかんやして先発でも04時30分頃という遅めに着いたひでさん達は駅前の有料駐車場に停めたと連絡がありました。予定通り5時半頃に我々も到着しましたがなんと駅前駐車場は「満」となっており多くの車が引き返しています。有料のすぐ下に大町市営の無料駐車場がありますが第1-3と空きがないか探してみますが停める余地なし。路駐スペースも上の方は埋まっており下の方へと降りざる得ません。他の車が吸い込まれていく路側帯に我々も続きましたが駅まで徒歩35分とGoogle mapの案内が。あさイチからやられた。でも余裕をもってハイスピードで向かって事なきを得ました。30分予定を早めていなかったら始発便に乗り遅れてどうなった事やら。



そんなプラス思考で結局仮眠なしで急ぎ扇沢駅へと向かいますが黒部立山アルペンルートの基幹駅であり立派なもんです。そして始発便、その次の7時便を待つ多くの観光客と登山客で賑わっていました。当地でMr.とひでさんと合流し再会の挨拶も程々に始発便改札が始まり乗り込みます。室堂までは関電トンネル電気バス→ケーブルカー→ロープウェイ→立山トンネル電気バスと4つも乗り継がないとアクセスが出来ません。(扇沢からの登山道もあると言えばあるみたいですが室堂まで15時間以上と時間がかかり過ぎるので文明の利器に頼るのが大道のようです)電気バスを降りたら黒部ダムですが初黒部ダムなので展望台に上ってダムを眺めたりと少しばかし観光。ダムを挟んで目の前に本日目指す立山がそびえていますが案外近そう。



ダムの堰堤を越えてケーブルカーに乗り換えます。こんな奥地にダムやケーブルカー含めてよく作ったもんだと先人達へ敬意を感じながら先へと進み黒部湖から黒部平へと移動します。





黒部平からはロープウェイに乗り換え大観峰まで行き、再度電気バスに乗り換えますが立山トンネルは去年まで名物のトロリーバスであったので残念。関電トンネルは日本製の電気バスでしたが立山トンネルは中国製の電気バスという謎が頭の中に浮かびましたがなんででしょう。大観峰からは眼下に黒部ダムと黒部平駅が見えます。



立山、劒へ向かう登山口、室堂に到着しましたが一般観光客と登山客とでごった返しています。先月末に行った木曽駒ケ岳と同様な観光地化されている感が満載です。因みに大将は先週も家族行事で室堂経由で立山に登られており2週連続で立山という恐ろしい状況でしたが先週見れなかったみくりが池に立ち寄りたいと相変わらず楽しんでおられる。





室堂駅を出たらすぐに今期で営業終了を発表したホテル立山がありました。星野リゾートが買い取るかもとかとかの情報もあるみたいですがかなり老朽化した建物でありどうなっていくのでしょう。遠くに水面が見えるのでここは長野で海なし県だから諏訪湖でしょうかと聞いたらひでさんには「でかすぎでしょう。日本海ちゃいますの」と言われたけど確かにでかすぎる。黒部立山アルペンルートでとっくに長野県から富山県に来ておりやっぱり日本海。どうも地理感覚が麻痺してきており諏訪湖なんて北アルプスから見えるはずもない。

さて、整備された道を進んでみくりが池に立ち寄り室堂登山口から登頂を開始しますが観光もしたりとちんたらしていたので始発便に乗ったけど既に9時をとっくにまわっとるというスロースタート。




初日は立山を縦走して剣山荘に小屋泊して二日目は剱岳にアタックするという予定なので
初日は室堂山→浄土山→龍王岳→雄山→大汝山→富士ノ折立→真砂岳→別山と立山連峰の縦走です。
立山は雄山、大汝山、富士ノ折立という立山三山から成っているらしい。そんな立山連峰ですが目の前に雄山も見えており案外楽勝コースかもと思いながらまずは室堂山の展望台へ立ち寄りますが徹夜明けという事も相まって登山はやっぱり毎回つらい気持ちの方が大きい。
室堂展望台からは五色ヶ原、薬師岳が間近に見えて遠くは穂高連峰や笠ヶ岳も見えます。



室堂展望台の時点でひいこら言ってしまいましたが三山の一つ、浄土山に到着です。目の前に雄山がそびえ立ち左手には最終目標の剱岳も見えます。目の前やから案外近そうと思ってしまうけどそうは問屋が卸さないのが山登りの大原則。



浄土山から稜線を伝って続いては龍王岳。龍王岳からも雲は多いですが穂高連峰を含めて東側の山々を見渡せました。
雲と言えば天気ですが今回は行くか行かないか出発当日の午後まで合議し続けての決行でした。週末の天気予報は全国的に雨で初日は持っても二日目の劒の日の雨は確実そう。個人的には劒がメインでありメインに登れないくらいなら中止で良いと思ったけどいつもの如く大将とひでさんはイケイケドンドンな感じ。立山を縦走するだけでも十分に楽しいですよと言いくるめられてとりあえず来てみたけど初日はまずまずのお天気です。



龍王岳をあとにして次は目の前にあるようで遠い雄山を目指します。ここには立山雄山神社があって700円を支払ったら参拝できらしい。信心深い大将は先週にお参りしようとしたけど財布の中の小銭をかき集めたら699円と1円足りずに参拝出来なかったらしい。だから今回は何が何でも参拝したいと言っていた。来週も来るから1円くらいまけてーなと関西人のノリで押し切って欲しかったけど神様に対して値切るみたいで嫌だったらしい。
そんな雄山ですが急登が続きます。室堂まで文明の利器で多くの観光客が来ておりその人達も雄山を目指すので登山道は大渋滞が発生しています。小さな子供は泣いて立ち止まりそれがまた渋滞にも繋がるし親のエゴで大人でもキツイ3000m級の山に子供を巻き込むとかやめた方が良いと思う。




渋滞で立ち止まりながらものろのろと登り続けたら雄山山頂に到着。土産物屋さんや神社で多くの人で賑わっています。
人が多くて疲れたので自分はお金を払ってまで参拝はパスと座り込んでいたけど大将が全員分を払ってくれていたので強制参拝。




荷物を鳥居付近に置いて階段を上り参拝を受けます。時々万歳三唱が聞こえていましたがこの神社からでした。
お祓いを受けたら最後に全員立ち上がり「立山登拝!ばんざーいばんざーいばんざーい!!」という感じで。



神社もある雄山が立山の主峰だと思っていたけど実は最高峰3015mで大汝山が主峰。そんな事も知らずに大汝山で昼ご飯休憩をとりましたがこちらからも黒部湖、穂高連峰が見えて素晴らしい昼休憩となりました。



時刻は13時30分を回っていて室堂から4時間半経過していますが初日のゴールの剣山荘までまだ半分も来ておらず夕食の17時まで3時間半しかなく少し焦りだした。と、焦りながらもやはり立山三山は巡るべく次は富士ノ折立へ立ち寄ります。こちらも岩稜をよじ登って登頂完了。



引き続きひたすら稜線を辿って真砂岳、別山を目指して進みますが振り返ってみると結構な高低差があるもんだと改めて思う。稜線伝いで楽だと思ってもこうした下っての登り返しが延々と続いて心身ともに参ります。
振り返ると登って下ってきた富士ノ折立が見えて前を向いたらこれから登っていく別山。山頂は見えているけどなかなか辿り着かん。




別山には15時30分過ぎに到着。眼下に劔沢キャンプ場のカラフルなテント達が点で見えてそのさらに奥に劔沢小屋、さらにその先に剣山荘らしい建物が。遠いなーとみんなでこぼしながら17時到着死守で先を急ぎます。



途中富山県警の山岳警備隊の方がペアで追い越していかれたけどパトロールありがとうございます。多くの山岳関係の人達の見守りで我々が安心して登れている事に感謝。別山から劒沢に降りたらテン場の先に富山県警の派出所があり記念撮影。




ここまで来たら剣山荘まであと少し。天気予報は明日大雨のようですが信じられないくらい天気は穏やかです。大雨になるとわかっているのに多くのテントが張られており皆さん慣れたもんです。ハイマツの中を進むと剱岳をバックに剣山荘が。少し巻いて来たので16時40分に到着。夕食も17時と18時の二部制でしたが17時を選んだけど信じられんくらい綺麗な山荘でみんな感動していた。山といえばトイレが超絶くさいけど剣山荘はなんとなんと水洗トイレ。そして石鹸とかの使用は禁止だけど温水シャワーまであるではありませんか。シャワーの使用は17時までと超滑り込みで50分からダッシュで入って汗を流しましたが本当にありがたかった。



生ビール1杯1000円を受付で注文して食堂で初日の無事を祝して乾杯。綺麗な山荘でおいしい夕食をとり食後は外でのんびり語ろうと思ったけど日が落ちると冷えて寒い寒い。結局部屋に戻ってみんなゴロンして19時過ぎには消灯して完全就寝おやすみなさい。



初日の行動時間は約8時間弱、移動距離は10km程度でした。



day2
奇跡的に雨じゃなかったら4時出発で剱岳アタックの予定でお弁当も受け取っていますのでとりあえず4時前に起床して天気を見て2日目の予定を決める事になったけど3時過ぎから雨の音が。早々に2日目は下山だけの予定となりギリギリまで寝る事にしたけど5時半から朝食、7時チェックアウトなので明け方に目が覚めてからはほぼ起きていた状態でした。



写真では伝わりませんが風も強く横殴りの雨が吹き付けてきます。我々はうわーまじかと大騒ぎしていたけどMr.曰く他の登山者は淡々と当たり前のように普通に出発していってますよと。我々にとっては初めての大雨であり経験値がまだまだ低いと改めて思った。アタック予定用のお弁当だったけど食堂で食べてスープやお茶も飲んでくださいと親切にしてもらい感謝感謝で6時半に宿を出ます。帰りはピストンではなく反時計回りな感じで剣御前小屋、雷鳥沢を経由して室堂に戻ります。



剣御前小屋までは登りですが雪渓を3か所くらい越えないとならずここだけがおそロシア。死にはしないけど滑り落ちたらやばいなという状況でしたが8月でも凍っていてチェーンスパイクが欲しかった。こういう時に単独登山だと正直厳しい。



雨風の中を登り続けるけど腹が冷えて急激に催してきました。なんで水洗トイレの剣山荘で用を足してこなかったのかと己を呪いますがどうしようもありません。大将に野糞しないとやばいかもと打ち明けたけどこの雨風の中での野糞は厳しいですと冷静な返事が。ここを登り切ったら剣御前小屋があるからそこで借りたら良いかとと極めて的確なアドバイスをしてくれました。ちゃんと位置情報を把握しながら登攀を続ける姿に少し惚れてしまった。
ケツの穴に全集中して小屋に到着しましたが公衆便所があったので臭いとか気にする前に駆け込みます。大山の公衆便所は便座が糞尿まみれで恐怖空間でしかありませんでしたが剣御前の公衆便所は汚れもなく綺麗そのもの。でも匂いはすごいのでトイレットペーパーを鼻に詰め込んで口呼吸で用をたして最大の危機を脱出。



公衆便所を出て再び暴風雨の中進みますがここからはあとはひたすら下って雷鳥沢を目指します。下から吹き上げてくる風で時折バランスを崩しそうになるので慎重に下っていきます。


雷鳥沢まで降りましたがテン場は悲惨な状態でこんな暴風雨の中撤収している集団もいたりと大変そう。
テントをとりあえずビニール袋に入れて撤収という感じで多くの若者が撤収中でした。



雷鳥沢からみくりが池までは登り返しですがここでも暴風が凄く多くのパーティが立ちすくんで渋滞が発生しています。止まっていても雨風にさらされ続けるので先に行かせてもらいます。みくりが池と言えば温泉ですが大将は温泉に絶対に入ると息巻いていたけどまたこのびしょびしょの服を着るとかまっぴらごめんであり大将以外は今回はパスさせてもらいました。



大将とは室堂で待ち合わせをして再び黒部立山アルペンルートで扇沢まで戻り2日間の山行は終了となりました。2日目は3時間ちょっとの山行で剱岳にも行けず不完全燃焼な山行でしたが雨風の中を経験できたのでこれもまた良し。



剱岳のアタックもなくなりこれ以上留まる気はなくこの日に京都まで帰りたいところでしたがこの日は大町温泉郷に宿泊して翌日の帰宅で今回の旅は幕を閉じました。
下山してから立ち寄った大町山岳博物館は大人気で駐車場待ちの列が出来ていましたが行ってみる価値あり。なんだかんだでみんなでお泊りして過ごすのは良いものですね。

今回の走行距離は800kmでした。


おしまい

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